加齢による心身の変化

人は誰でも初めて年を取ります。
ここでは、老化現象は体のどんなところに、どのような変化が表れるのかお伝えします。また、それによる影響といち早く見つけるサインをお伝えしたり、進行を防いだり、遅くしたりする対処方法などは、あらためて記事でお伝します。
体の表面に表れる老化現象

加齢によって姿勢が悪化し、活動が低下して毛細血管が退縮することで、頭から足先にかけて、視覚的に捉えられる変化は以下のとおりです。
【頭部・髪】
白髪が増加や毛穴(けあな)の奥にある、毛の根元を包んでいる袋が減少に減って薄毛になったり、髪に張りがなくなります。耳毛や鼻毛など、特定部位の毛が硬くなったり伸びたりします。
【顔面】
頭部への血流が徐々に低下することで皮膚のコラーゲンが減少し、皺・弛み・ほうれい線が表れます。肌の新陳代謝が低下して、老人性色素斑(シミ)や老人性白斑が表れます。
【目・口元】
瞼が垂れ下がり、眼球の黒目の周囲に白っぽい「老人環」と呼べれる輪が目立つようになります。歯茎は退縮し、歯が長く見えるようになったり、噛み合わせに変化が表れます。
【首・手・体幹】
身長低下の一番目立つ影響は、首の横皺です。頭部が両肩よりも前に出て、頸椎上部が癒着固化して起きる現象です。加齢と活動不足からくる毛細血管の退縮は、手の甲にも表れます。皮膚が薄くなり静脈が浮き出てきます。さらに、バストやヒップ、陰嚢などの体の様々な部位で皮膚が垂れ下がってきます。
【足・つま先】
毛細血管の維持が難しくなると、水分保持能力も低下します。このことから、足の裏や踵のひび割れ・乾燥も起きやすくなります。爪の成長は鈍化し、肥厚したり、縦筋が発生します。
肉体で表面に表れない老化現象(体内・骨格・毛細血管)

老化現象は眼に見える部分だけに留まりません。肉眼では見えず、検査数値や日常の行動パターンの変化としても現れてきます。そのサインを知り、加齢や日頃の活動不足を補うこともできます。
血管・毛細血管の退縮
【毛細血管のゴースト化】
毛細血管がダメージを受けて消失する毛細血管の退縮していく「ゴースト血管」と呼ばれる現象は、筋肉量の低下や活動不足などが深くかかわります。末梢への酸素・栄養供給が途絶しやすくなっていきます。複数のノーベル賞受賞者などが、「がんの発生は酸素不足」だと指摘したことがあります。体命健康法では、体中に張り巡っている毛細血管は、長年肥満や活動不足によってダメージが起きやすい生活を続けることで「がんが発生しやすくなる」のではないかと考えています。
【動脈硬化、微小・中心の血管系】
太い動脈血管は、徐々に弾力を失い、硬くなります。大動脈解離などの死に繋がりやすい病気を彦起こしたり、血圧の上昇(特に収縮期血圧)も起きてきます。微小な血管の血流が悪化しやすくなり、血管の柔軟性が徐々に失われ、プラークも沈着しやすくなります。
骨格の変化
【骨格・筋肉】
筋肉の硬化から骨格の位置が悪くなることで、姿勢の悪化、腰椎・胸椎、さらに頸椎に関わる筋肉が硬化し、椎間板の縮小につながりやすくなり、身長の低くなったり、膝や股関節の軟骨に摩耗が生じやすくなります。
姿勢の悪化は骨に対する刺激の低下につながり、活動不足を起こす要因になり、毛細血管の退縮などが重なると骨密度の低下(骨粗鬆症)を招きます。筋肉量の減少がさらに進むとサルコペニアが起きて、日常の活動に支障をきたすレベルになります。
毛細血管の変化
【消化器・内臓】
毛細血管は体中を巡っています。毛細血管の退縮は臓器にも影響します。胃粘膜が萎縮したり、腸の蠕動運動の低下したり、肝臓・腎臓の機能低下につながります。
【呼吸・循環器】
姿勢の悪化は、肺の捻じれを引き起こします。捻じれは肺活量の低下を招き、毛細血管の退縮は弾力性を低下させます。毛細血管の退縮は、心筋の肥大・硬化などが起き、心拍出量の減少に繋がります。
【代謝・免疫】
体重は同じでも、筋肉量の低下が基礎代謝の低下を起こし、太りやすく痩せにくい体質に転換します。併せて、免疫力が低下し、感染症などにもかかりやすくなります。
【脳・神経】
姿勢の悪化で脳の血流低下に繋がります。加齢とともに脳が萎縮したり、神経伝達物質も減少し、機能低下につながります。
行動や能力に表れる老化現象

老化現象は、加齢とともに動作などにも表れます。加齢とともに身体機能や認知機能の低下がすると、日常の動作や振る舞いが変化していきます。
【歩行・移動】
歩行速度が遅くなったり、歩幅が小さくなったり、足が上がらず躓きやすくなり、すり足になる人もでてきます。バランス感覚が低下してふらついたりすることも増えていきます。
【日常の動作】
筋力の低下によって、立ち上がる動作が鈍ったり、手に震えが起きたり、握力が低下してペットボトルの蓋も開け難くなるなどします。
【認知・精神】
加齢による姿勢の悪化は、脳の機能と密接に関わり、認知機能や精神面で影響が表れます。物忘れが増えたり、新しいことを起こしたり、記憶したりする適応力が低下します。頑固になる、怒りっぽくなるなど、感情のコントロールが難しくなります。
【睡眠・排泄】
筋肉量の低下と活動不足などから起きる毛細血管の短縮は、睡眠に影響します。就寝中に中途で眼が覚めたり、早朝に目が覚めるなどで睡眠の質も低下しがちです。大腰筋などの体幹部や下半身の筋肉量と機能の低下と膀胱の柔軟性や骨盤底筋などの機能低下と結びつき、頻尿・尿漏れが起きやすくなります。
【食事・会話】
姿勢の悪化は、様々な筋肉の機能低下を意味します。顎関節症が姿勢の矯正で痛みが消え、悪化で咀嚼しにくくなります。嚥下力の低下すると、飲食時のみならず、就寝中の唾液でむせる、肺炎を起こす人も表れます。頭部の血流の悪化は、口の渇きや、イメージと具体の言葉が繋がりにくくなり、「あれ」「これ」などが増えて、固有名詞が出てこないことが増えます。